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シーシュポスの系譜シーシュポスとメロペーから始まる系図。 |
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《デウカリオーンの系譜》 |
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シーシュポスの系譜には、トロイア戦争で活躍したグラウコスやサルペードーン、またミニュアース人の祖となったミニュアース、また有翼の神馬ペガソスを操るベレロポーンなどがいる。 シーシュポス |
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この系譜で扱った神々や人物の名称、および簡単な解説を列挙。あいうえお順。 |
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名称 | 表記 | 性別 | 解説 | 参照 | ||
アイオロス | Aiolos | 男 | ヘレーンとオルセーイスの子。アイオリス(Aiolis)人の祖。妻はエナレテー(Enarete)。 風の支配者アイオロスと同一視されることもある。 | 系譜:De 系譜:Kr 系譜:Ath 系譜:Dei 系譜:Kal |
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アウトリュコス | Autolykos | 男 | ヘルメースとキオネー(あるいはスティルベー)の息子。ヘルメースから盗みの術を教えられ、盗みと詐欺の名人となった。オデュッセウスの兜をアミュントールから、牛をエウリュトスから盗んだ。シーシュポスの家畜を盗むときには失敗した。また、アウトリュコスはアルゴナウテースたちの遠征に参加した。 | 系譜:Dei | ||
アンティクレイア | Antikleia | 女 | アウトリュコスの娘。夫ラーエルテースとの間にオデュッセウスを産んだ。ホメーロス『オデュッセイア』第11巻では、死者となり冥界に降りたアンティクレイアが、オデュッセウスと話をする。アンティクレイアはオデュッセウスが帰国しないことに悲しんで衰弱して死んだという。アンティクレイアはラーエルテースとの婚礼の前夜に、シーシュポスと交わってオデュッセウスを生んだとする伝承もある。 | 系譜:Dei | ||
イーサンドロス | Isandros | 男 | ベレロポーンとピロノエーの息子。 | |||
エウリュメデー | Eurymede | 女 | メガラ王ニーソスの娘。夫はシーシュポスの息子グラウコス。 | |||
オデュッセウス | Odysseus | 男 | イタケー島の王ラーエルテースとアンティクレイアの息子。妻はペーネロペー。トロイア戦争の英雄で、知略に富む。トロイア戦争では木馬の計略を考えて、戦争を終結に向けた。ホメーロスの『イーリアス』と『オデュッセイア』で詳しく語られる。 | 系譜:Dei | ||
オルニュトス | Ornytos | 男 | もしくは、オルニュティオーン(Ornytion)。シーシュポスとメロペーの息子。ポーキスに赴いて王国を築き、息子ポーコス(アイアコスの息子とは異なる)に王国を譲り、自らは故郷コリントスに帰ってコリントスの王位を継いだ。 | |||
グラウコス | Glaukos | 男 | 「グラウコス」は「青緑色の、灰色の、鋭い眼の」を意味し、多くの英雄や海の神の名前となっている。 | |||
エピュラ(のちのコリントス)の王であるシーシュポスとメロペーの息子。妻はメガラ王ニーソスの娘エウリュメデー。ボイオーティアのポトニアイ(Potniai)で牝馬を飼っていた。ペリアースの葬礼競技の際に、四頭立ての戦車競技に参加したがイーピクレースの子イオラーオスに破れた。その後、アプロディーテーの怒りをかって、その馬に食い殺された。 | ||||||
上記、シーシュポスの息子グラウコスのひ孫。ヒッポロコスの息子。サルペードーンの従兄弟で、リュキア軍を率いて彼とともにトロイア戦争にトロイア方として参戦。『イーリアス』ではディオメーデースと対峙したときに、自分の祖父ベレロポーンと彼の祖父オイネウスが主客の仲であったことを知り、武具を交換して和解する。グラウコスは、ヘクトールとともにパトロクロスの死体をめぐる戦闘に参加して、テラモーンの息子アイアースに打たれて戦死した。彼の遺体はリュキアに運ばれた。グラウコスはリュキア王家の祖となった。 | ||||||
クリューセー | Chryse | 女 | ハルモスの娘。アレースと交わって、プレギュアーを産んだ。 | 系譜:Dei | ||
クリューセース | Chryses | 男 | ポセイドーンとクリューソゲネイアの息子。ミニュアースの父。エテオクレースの後にオルコメノス王となったプレギュアースから王位を継承した。 | 系譜:Dei | ||
クリューソゲネイア | Chrysogeneia | 女 | ハルモスの娘。ポセイドーンとの間に、クリューセースを産んだ。 | 系譜:Dei | ||
コローノス | Koronos | 男 | シーシュポスの孫。テルサンドロスの息子。オルコメノス王アタマースが自分の息子をすべて失ったので、兄弟のハリアルトスとともにそのあとを継いだ。アタマースの子であるプリクソスの息子プレスボーンがコルキスからオルコメノスに戻った時に、祖父の王国の返還を求め、ハリアルトスとコローノスはこの要求に応じた。その後、ハリアルトスはハリアルトス市(haliartos)の創建者となり、コローノスはコローネイア(Koroneia)の創建者となった。 | |||
サルペードーン | Sarpedon | 男 | 『イーリアス』ではゼウスとラーオダメイアの息子とされるが、ホメーロス以降はゼウスとエウローペーの子とみなされる。エウローペーを妻としたクレータ王アステリオスに育てられるが、成人してクレータを去りリュキア人と戦っていたキリクスに味方して、リュキアの王となった。一説にはミーレートス市の建設者でもある。『イーリアス』で描かれるサルペードーンはグラウコスとともにリュキア兵を率いてトロイアの援軍となった。ギリシアの英雄パトロクロスに打たれて死んだ。前者のサルペードーンと、後者で語られるサルペードーンは本来同一人物であったに違いないが、二つの出来事の年代が非常に離れているので、ゼウスから人間三代分の命を授けられたとする伝説が生まれた。 | 系譜:Ol 系譜:Th |
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シーシュポス | Sisyphos | 男 | 人間の中で最も狡猾な人物とされる。アイオロスとエナレテーの息子。アトラースの娘であるメロペーを娶った。コリントスの地の王位をコリントスもしくはメーデイアによって与えられ、都市コリントス(エピュラ、Ephyraと呼ばれた)を建設した。 同様に狡猾な人物として知られるアウトリュコスがシーシュポスの家畜を盗んだ時には、シーシュポスは家畜のヒズメに印をつけておいて、取り返した。またある伝承では、アンティクレイアとラーエルテースの婚礼の前夜に、シーシュポスはアンティクレイアを訪ねて交わった。そしてオデュッセウスが生まれたので、彼はシーシュポスと同じ狡猾さを持つという。 またゼウスがアーソーポス河神の娘アイギーナをさらってオイノーネーに行くのを、シーシュポスは見た。河神が娘を追いかけて来たときに、泉を湧かせるのを条件にシーシュポスは彼にゼウスがさらったことを教える。それに怒ったゼウスはシーシュポスを雷霆で殺した。その後冥界についたシーシュポスは、刑罰を受ける。彼は岩を急な坂道に転げ上げねばならないが、頂上に着く手前で、岩は転げ落ちてしまう。それを永遠に続ける刑罰であった。別の伝えでは、シーシュポスは事前に妻に葬儀をしないようにと命じておいた。そしてゼウスに殺されて、冥府の神の前に行ったときに、自分の葬儀を行わない妻を罰するために一度地上に戻ることを嘆願した。許されたシーシュポスは、そのまま冥界に戻らず長寿を全うする。そして再び死んで冥界に降りたときに、冥府の神に刑罰を科されたと伝える。 |
系譜:De | ||
ダーモポーン | Damophon | 男 | コリントスの王トアースの息子。ヘーラクレイダイの帰還のころまで、父を継いでコリントスの王位にあった。 | |||
テルサンドロス | Thersandros | 男 | コリントス王シーシュポスとメロペーの息子。息子はハリアルトス(ハリアルトス、Haliartosの祖)とコローノス(コローネイア、Koroneiaの祖)。 | |||
トアース | Thoas | 男 | コリントスの王オリュニュトス(オルニュティオーン)の息子。父の王位を継承してコリントスの王となった。ポーコス(ポーキス、Phokisの祖となった)の兄弟。王位は息子のダーモポーンに継承させた。 | |||
ハリアルトス | Haliartos | 男 | シーシュポスの孫。テルサンドロスの息子。オルコメノス王アタマースが自分の息子をすべて失ったので、兄弟のコローノスとともにそのあとを継いだ。アタマースの子であるプリクソスの息子プレスボーンがコルキスからオルコメノスに戻った時に、祖父の王国の返還を求め、ハリアルトスとコローノスはこの要求に応じた。その後、ハリアルトスはハリアルトス市(haliartos)の創建者となり、コローノスはコローネイア(Koroneia)の創建者となった。 | |||
ハルモス | Halmos | 男 | シーシュポスとメロペーの子。オルコメノス王エテオクレースに土地を与えられて、ハルモネース市(Halmones)を建てた。 | 系譜:Dei | ||
ヒッポロコス | Hippolochos | 男 | ベレロポーンとピロノエー(もしくはアンティクレイア、Anthikleia)の息子。リュキア人の将としてトロイア戦争に参戦したグラウコスの父。 | |||
ピロノエー | Philonoe | 女 | リュキア王イオバテースの娘。夫はベレロポーン。イオバテースは娘ピロノエーをベレロポーンと結婚させるとともに、王国をベレロポーンに継がせた。 | |||
プレギュアース | Phlegyas | 男 | テッサリアのプレギュアイ(Phlegyai)人の祖。アレースとクリューセーの息子。エテオクレースの後を継いでオルコメノス王となり、プレギュア(Phlegya)市を建設されたとされる。彼の後はポセイドーンとクリューソゲネイアの息子クリューセースが継承した。 | 系譜:Dei | ||
プロポダース | Propodas | 男 | コリントス王ダーモポーンの息子。コリントスの王位を継承した。 | |||
ベレロポーン | Belerophon | 男 | コリントス王シーシュポスとエウリュメデーの息子。コリントスのペイレーネーの泉で水を飲んでいた神馬ペーガソスを捕まえて、自らの馬とした。 ベレロポーンは誤って兄弟を殺してしまい、贖罪のためにプロイトスのもとに身を寄せた。その時、プロイトスの妻アンテイアはベレロポーンに言い寄るが、断られる。彼女はその腹いせに、ベレロポーンのほうが言い寄ってきたとプロイトスにウソをいた。プロイトスは客人を殺すことをはばかって、リュキア王イオバテースも宛てて、ベレロポーンを殺すようにとの手紙をベレロポーン自身に運ばせる。そこで、イオバテースはベレロポーンにキマイラ退治、ソリュモイ人とアマゾーンの征服などの難題を命じるが、ベレロポーンは成功した。その強さに驚いたイオバテースは、自分の娘ピロノエーを嫁がせて、死後にはリュキアの王国を彼に継がせた。 |
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ポーコス | Phokos | 男 | オルニュトスの息子。オルニュトスはポーキスに赴いて王国を築き、息子ポーコスに王国を譲り、自らは故郷コリントスに帰った。 | 系譜:Sis | ||
ミニュアース | Minyas | 男 | ボイオーティアの古都オルコメノス(Orchomenos)の住民であるミニュアース人の祖。クリューセースの息子。 | 系譜:Dei | ||
メロペー | Merope | 女 | アトラースとプレーイオネーの娘。プレイアデス(プレーイオネーの娘たち)の一人。姉妹の中で彼女だけが人間であるシーシュポスと結婚した。 | |||
ラーオダメイア | Laodameia | 女 | ベレロポーンの娘。ホメーロスでは、ゼウスと交わってサルペードーンを生んだ。 | 系譜:Ol 系譜:Kr 系譜:Dei |
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系譜:Ath=アタマースの系譜 |
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このページの最終更新 2007/12/22 | ||||||
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