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神名·人名·解説 「は行」

「は行」: 五十音順
アルファベット表記は、ギリシア文字をローマ字に転写したもの。

「は」 「ひ」 「ふ」 「へ」 「ほ」


「は」

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名前 表記 性別 解説 参照
ハイモーン Haimon (一)ポリュドーロスの息子。彼の子孫はロドスに、ついでシシリアのアクラガース(Akragas)に移住して、この年の独裁者テーローンの祖となった。
(二)テーバイ王クレオーンの子。ソポクレースの『アンティゴネー』では、彼はアンティゴネーの許婚で、彼女が死刑の宣告を受けた時に自殺した。
系譜:Th
ハーデース Hades 冥府(死者の国、冥界)の王。プルートーン(Pluton、「富む者」)、エウブーレウス(Eubuleus、「善き忠告者」)などの別名でも呼ばれる。ローマではプルートーンをとって、彼をプルートー(Pluto)と呼び、またプルートーンの訳語であるディースと呼ぶ。もしくはローマではオルクスと呼ぶ場合もある。クロノスとレアーの子。ゼウスとともにティーターンと戦って勝利した。その後くじを引いて冥界の支配権を得る。デーメーテールの娘ペルセポネーに恋をして冥界へと連れ去り、妻とした。ミーノースとラダマンテュスとアイアコスの三人を裁判官として、冥界を支配する。死者の国はホメーロスでは極西のオーケアノスの流れの外側にあるとされるが、後には地下に存在すると考えられた。 系譜:Ol
パラース Pallas クレイオスとエウリュビアーの子。ティーターン神族の一人。ステュクスを妻とした。 系譜:Ti
系譜:Po
ハリアルトス Haliartos シーシュポスの孫。テルサンドロスの息子。オルコメノス王アタマースが自分の息子をすべて失ったので、兄弟のコローノスとともにそのあとを継いだ。アタマースの子であるプリクソスの息子プレスボーンがコルキスからオルコメノスに戻った時に、祖父の王国の返還を求め、ハリアルトスとコローノスはこの要求に応じた。その後、ハリアルトスはハリアルトス市(haliartos)の創建者となり、コローノスはコローネイア(Koroneia)の創建者となった。 系譜:Sis
パルテノパイオス Parthenopaios テーバイにむかう七将の一人。タラオスとリューシマケーの子。 系譜:Kr
ハルモス Halmos シーシュポスとメロペーの子。オルコメノス王エテオクレースに土地を与えられて、ハルモネース市(Halmones)を建てた。 系譜:Dei
系譜:Sis
ハルモニアー Harmonia アレースとアプロディーテーの娘。サモトラケー島の伝説ではゼウスとエーレクトラーの娘。夫カドモスとの婚礼の際には、すべての神々が天界を去ってこの宴に加わり、二人に贈り物をした。そのなかでも名高いのは長衣(ペロプス)とネックレスだった。この贈り物が子孫の禍のもとになったという。調和、ハーモニーの女神である「ハルモニアー」とは別人だが、後代になって同一視される。 系譜:Ol
系譜:Th
ハルピュイア Harpuia 「かすめる女」の意。風の精であったらしい。タウマースとエーレクトラーの子。アエロー「疾風」とオーキュペテー「素早く飛ぶ女」の2人、もしくはケライノー「暗い、黒い女」を加えた3人。翼ある乙女、あるいは頭部だけ女の鳥と考えられていた。 系譜:Po
パンドーラー Pandora 地上最初の女。「すべての贈り物」の意。ヘーパイストスが泥から彼女を作った。天上から火を盗んだプロメーテウスに対する復讐のためにゼウスが贈った。エピメーテウスは、神々からの贈り物を受け取ってはならないというプロメーテウスの忠告を無視して、彼女を妻とした。彼女は天上からすべての禍が詰まった壷を渡されていた。好奇心からこの壷を開けると、すべての禍が飛び出し、あわててふたを閉めたが、壷に残ったのは「希望」だけだった。 系譜:Ti

「ひ」

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名前 表記 性別 解説 参照
ビアー Bia 「暴力」を擬人化した女神。パラースとステュクスの娘。姉妹であるクラトス「支配(権力)」とともに描かれることが多い。常にゼウスに従う。 系譜:Po
ビアース Bias アミュターオーンとエイードメネーの子。メラムプースの兄弟で、彼と行動を共にし、メラムプースの予言の力でネーレウスの娘ペーローを妻とすることができた。その後、プロイトスの娘たちが狂気に陥ったとき、メラムプースの治療の力で治し、プロイトスの王国の三分の一をもらった。その時に、ビアースはプロイトスの娘エイドメネー(またはリューシッペー)を妻とした。 系譜:Kr
ヒッポダメイア Hippodameia アドラストスとアムピテアーの娘。ペイリトオスの妻。ケンタウロス族とラピテース族の戦闘の原因は彼女。 系譜:Kr
ヒッポテース Hippotes ピューラースとレイペピレーの子。ヘーラクレイダイの一人。 系譜:Pe
ヒッポノオス Hipponoos カパネウスの父。 系譜:Pe
ヒッポメドーン Hippomedon アリストマコスの子。テーバイに向かう七将の一人。テーバイ包囲中にイスマロスによって殺された。 系譜:Kr
ヒッポロコス Hippolochos ベレロポーンとピロノエー(もしくはアンティクレイア、Anthikleia)の息子。リュキア人の将としてトロイア戦争に参戦したグラウコスの父。 系譜:Sis
ヒュアモス Hyamos リュコーレウス(もしくはリュコーロス)の子。デウカリオーンの娘メランテイアと結婚した。ヒュアモスはヒュアー(Hya)の町の創建者。 系譜:De
ヒュドラー
(レルネーの)
Hydra 「水蛇」の意。特にヘーラクレースが12功業のなかで退治したレルネーの湿地帯にすむヒュドラーを指す。 系譜:Po
ヒュプシピュレー Hypsipyle レームノス(Lemnos)島の王トアースとミュリーリネーの娘。この島の女は女神アプロディーテーの崇拝を怠ったために臭気を発するようになった。そこで男たちはレームノスの女を捨てたが、それに怒った女たちは父や夫を殺した。しかしヒュプシピュレーのみが父親を隠して逃した。その後、彼女はこの島の女王となった。アルゴナウテースたちがこの島に来た時に、彼女たちと交わって、ヒュプシピュレーはイアーソーンとの間に二子を産んだ。それから、父親を逃がしたことが島の女たちに知られ、彼女は島を逃れる。海賊に捕まったヒュプシピュレーはネメア王リュクールゴスに奴隷として仕えていた。その母親を探していた二人の息子がネメアを訪れた。その時、テーバイに向かう七将がちょうどその地を通過していたのだが、七将の一人アムピアラーオスが仲介してヒュプシピュレーと息子たちは再会することができた。 系譜:Kr
ヒュペリーオーン Hyperion ウーラノスとガイアの子で、ティーターン神族の一人。姉妹のテイアーを妻とした。ヒュペリーオーンは、しばしばヘーリオスの呼称としても用いられる。 系譜:Ti
ヒュペルパース Hyperphas エウリュアナッサの父。 系譜:Dei
ヒュペルメーストラー Hypermestra もしくは、ヒュペルムネーストラー(Hypermnestra)。プレウローン王テスティオスの娘。夫はオイクレース。 系譜:Kr
ピュラー Pyrrha エピメーテウスとパンドーラーの娘。夫はデウカリオーン。デウカリオーンを参照せよ。 系譜:Ti
系譜:De
ピュライオス Pylaios ボイオーティアの英雄クリュメノスの子。 系譜:Ath
ピュラコス Phylakos デーイオーンとディオメーデーの息子。ミニュアースの娘クリュメネーと結婚した。オトリュス(Othrys)山中のピュラカイ(Phylakai)市の創建者。 系譜:Dei
ピューラース Phylas アンティオコスの子。レイペピレーを妻とした。 系譜:Pe
ヒュロス Hyllos ヘーラクレースとデーイアネイラの長男。彼の名はリューディアのヘルモス(Hermos)河の支流ヒュロス河からとったとされる。ヘーラクレースの死後、兄弟とともにヘーラクレイダイのペロポネーソス帰還を計画した。エウリュステウスと戦って勝った。 系譜:Pe
ピロノエー Philonoe リュキア王イオバテースの娘。夫はベレロポーン。イオバテースは娘ピロノエーをベレロポーンと結婚させるとともに、王国をベレロポーンに継がせた。 系譜:Sis
風神たち anemoi アネモイ(風たち)。ゼウスの命によって働き、トラーキアの洞窟にすみ、風を支配している。ゼピュロス(西風)、ボイアース(北風)、のトス(南風)。 系譜:Po

「ふ」

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名前 表記 性別 解説 参照
ブージュゲー Buzyge リュコスの娘。プレスボーンの妻。 系譜:Ath
ブーシーリス Busiris エジプトの暴君。ヘスペリスのリンゴを探すヘーラクレースにひどい行いをして、息子(アムピダマース、またはイーピダマース)とともに殺された。 系譜:Th
プテレラーオス Pterelaos タピオスの子。ポセイドーンから不死性を約束され、タポスの安全が保障されている印である黄金の毛、もしくは黄金の鬚が生えていた。アムピトリュオーンがタポスに攻め入ったとき、娘のコマイトーがアムピトリュオーンに恋をして父プテレラーオスの毛を抜いてしまう。そのために、王は死にアムピトリュオーンはタポスを征服した。 系譜:Pe
プリアース Phlias アライテュレイアとディオニューソスの息子。 系譜:Dei
プリクソス Phrixos アタマースとネペレーの子。姉妹のヘレーとともに金毛の羊に乗ってコルキスへとのがれ、その地の王アイエーテースの娘カルキオペーを娶った。 系譜:Ath
プルートー Pluto ゼウスの妻。タンタロスを生んだ。 系譜:Ol
プルートー Pluto ローマでハーデースと同一視される神。ハーデースを参照。 系譜:Ol
プレウローン Pleuron アイトーロスとプロノエーの息子。カリュドーンの兄弟。アイトーリアのプレウローンの地にその名を与えた。ドーロスの娘クサンティッペーを妻とした。プレウローンはレーダーの先祖であるために、スパルタで祭られていた。 系譜:Kal
プレギュアース Phlegyas テッサリアのプレギュアイ(Phlegyai)人の祖。アレースとクリューセーの息子。エテオクレースの後を継いでオルコメノス王となり、プレギュア(Phlegya)市を建設されたとされる。彼の後はポセイドーンとクリューソゲネイアの息子クリューセースが継承した。 系譜:Dei
系譜:Sis
プレスボーン Presbon プリクソスとカルキオペーの息子。リュコスの娘ブージュゲーを妻とした。プリクソスの死後、オルコメノスに戻り、その地の王となった。 系譜:Ath
プロイティデス Proitides 「プロイトスの娘たち」の意。ティーリュンス王プロイトスとステネボイアの三人の娘、リューシッペー、イーピアナッサ、イーピノエーを指す。彼女たちは成長したときに気が狂った。原因は諸説あるが、誰か神によって狂わされた。彼女たちは自分が雌牛だと信じて、アルゴス全土、さらにアルカディアからペロポネーソスを歩き回った。メラムプースがその狂気を取り去る代わりに、兄弟のビアースとともにティーリュンスの領土の三分の二をプロイトスから得た。最年長のイーピノエーは死に、残りの二人の娘はメラムプースとビアースの妻となった。 系譜:Pe
プロイトス Proitos アルゴス王アバースとアグライアーの子。妻はエウリュディケー。アクリシオスと双子の兄弟。二人は母親の胎内にある時から争い、父の死後王権をめぐって戦い、アクリシオスが勝利した。アルゴスから追放されたプロイトスは、小アジアにあるリュキアの王イオバテースを訪ね、その娘ステネボイアを妻とした。後に両者は和解し、アルゴスを二分してアクリシオスはアルゴスを、プロイトスはティーリュンスを統治した。プロイトスの子メガペンテースはティーリンスの王権を継いだあと、アルゴスをの王権を得たペルセウスと領地を交換した。 系譜:Pe
プロクリス Prokris アテーナイ王エレクテウスの娘。ケパロスの妻。彼女をめぐる物語はケパロスの項を参照せよ。 系譜:Dei
プロクレース Prokles アリストデーモスとアルゲイアーの息子。エウリュステネースの双子の兄弟。妻はラトレイア(Lathreia)と言い、ソオス(Soos)という息子を産んだ。ソオスの子エウリュポーン(Eurypon)はスパルタの律法者リュクールゴスの祖。 系譜:Th
系譜:Pe
プローテシラーオス Protesilaos イーピクロスとアステュオケーの息子。妻はラーオダメイア。トロイア遠征にはテッサリアのピュラケー(Phylake)等の兵を率いて、40隻の船で参加した。彼はトロイアに着いて最初に上陸し、最初に討ち死にした。 系譜:Dei
プロートゲネイア Protogeneia 「最初に生まれた女」の意。デウカリオーンとピュラーの娘。ゼウスと交わりアエトリオスとオプースを生んだ。 系譜:Ol
系譜:De
プローナクス Pronax タラオスとリューシマケーの息子。 系譜:Kr
プロノエー Pronoe ポルバースの娘。アウゲイアースとアクトールの兄弟。夫はアイトーロス。 系譜:Kal
プロメーテウス Prometheus イーアペトスとアシアー、もしくはクリュメネー、あるいはテミスの息子。ケライノーあるいはクリュメネーを妻とした。エピメーテウス(後で考える男)の兄弟で、「先に考える男」の意味。神々と人間が犠牲獣の分け前を決めようとしたときに、策略によって、神々が骨と脂身を、人間が肉と内臓とを得ることとした。また天界から火を盗んでかくして持ち出し、人間に与えた。またプロメーテウスはテティスがゼウスの子を得た場合に、その子は父よりも偉大になるということを知っていた。ゼウスの怒りをかったプロメーテウスは、カウカソス山に鎖でつながれ、オオワシにその肝臓を毎日ついばまれた。アイスキュロスの『縛られたプロメーテウス』ではこのことや、人間に与えたあらゆる技術について描かれる。
系譜:Ti
系譜:De
プロンティス Phrontis プリクソスとカルキオペーの息子。 系譜:Ath

「へ」

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名前 表記 性別 解説 参照
ペイシディケー Peisidike アイオロスとエナレテーの娘。ミュルミドーンの妻となった。 系譜:De
ペイリトオス Peirithoos もしくは、ペリトゥース(Perithus)。テッサリアのラピタイ族の王。ゼウスとディーア(Dia)の子。カリュドーンのイノシシ狩りに参加。テーセウスの親友。ペイリトオスがヒッポダメイアと結婚するときに開いた宴にケンタウロスたちを招いた。このときにケンタウロスの一人が酒に酔ってヒッポダメイアに手を出そうとしたので、ラピタイ族とケンタウロスたちの戦闘が起こった。その後、ペイリトオスはテーセウスとアマゾーン族との戦いに参加した。 系譜:Kr
ヘオースポロス Heosphoros 暁の明星。エーオースとアストライオスの子。クレオボイア(Kleoboia)を妻とした。 系譜:Po
ペーガソス Pegasos 翼のある神馬。ペルセウスがメデゥーサの首をはねたときそこから、もしくは流れた血から生まれた。ペイレーネーの泉で水を飲んでいるときに、ベレロポーンにとらえられて彼の馬となった。ペーガソスのひずめで打たれることで生じた泉がいくつか伝えられている。ペーガソスは天上の星座となった。ローマ時代にはペーガソスは不死のシンボルだった。 系譜:Po
ヘカテー Hekate ペルセースとアステリアーの娘。ヘーシオドスで特に称えられる。彼女は人間にあらゆる面で幸を与えた。天上、地上、海中のあらゆる場所での力を有したが、冥界と関連付けられている。三叉路に、雌犬、雌馬、雌狼となって人間に姿を現すと考えられた。三つの身体を持ち、三方を眺める姿で彼女は表わされることが多い。 系譜:Po
ヘスティアー Hestia オリュンポス十二神の一人。炉の女神。語源的にローマのウェスタと同じで同一視される。クロノスとレアーの子。炉は家の中心であるために、ヘスティアーは家庭生活の女神として崇められた。また、都市ごとに都市の炉があり、そこでも祀られていた。 系譜:Ol
ペーネロペー Penelope イーカリオスとポリュカステー(あるいはペリボイア)の娘。オデュッセウスの妻。オデュッセウスがトロイア戦争に出兵し帰ってくるまでのあいだ、幼少の息子テーレマコスとともに家に留まっていた。そのあいだに多くの求婚者がやってくる物語などが、ホメーロスの『オデュッセイア』で語られる。 系譜:Dei
ヘーパイストス Hephaistos オリュンポス十二神の一人。火と鍛冶の神。ローマのウルカーヌスと同一視される。ゼウスとヘーラーの子。もしくはヘーラーが一人で生んだともされる。彼の妻はアプロディーテー、またカリス、もしくはアグライアーとされることもある。彼は生まれつき足が悪かったので、ヘーラーが彼を天上から投げ捨てた。海中に落ちた彼を、海の女神テティスとエウリュノメーが救い育てたとされる。 系譜:Ol
ヘーベー Hebe 「青春」の意。ローマではユウェンタースと同一視される。ゼウスとヘーラーの娘。ヘーラクレースが神格化された後に、彼を夫とした。 系譜:Ol
ヘーラー Hera オリュンポス十二神の一人。ゼウスの三番目の妻であり、正妻。最高の女神。ローマではユーノーと同一視。クロノスとレアーの子。結婚と子ども、女性の性生活の守護者。アルゴスのヘーライオン(Heraion)とサモス(Samos)島では主神の地位にある。激しい嫉妬の心に駆られる女神として、ゼウスの恋人や、その子供たちに対して敵対する。 系譜:Ol
ヘーラクレース Herakles ギリシア神話中の最大の英雄。ゼウスとアルクメーネーの子。「ヘーラーの栄光」の意を持つが、嫉妬したヘーラーによって狂わされるなどの矛盾する事実があり、名前との関係には諸説ある。妻子は多数いる。メガラー、デーイアネイラ、アウトノエー、ヘーベーなど。彼をめぐる伝説は多様で、幼少から死ぬまで様々な物語がある。エウリピデースの『狂えるヘーラクレース』や、12功業(12の難業)などが有名。 系譜:Ol
系譜:Pe
ペラスゴス Pelasgos ゼウスとニオベーの子。アルカディアの王。ペラスゴイ人の祖。 系譜:Ol
ペリアース Pelias テューローとポセイドーンの息子。ネーレウスと双子の兄弟。テューローは双子を捨てたが、馬飼いに拾われて育てられた。馬飼いの馬が赤子を踏んであざ(ペリオン)を作ったので、彼の名はペリアースとなった。双子の兄弟はその後争い、ペリアースはネーレウスを追放して、母テューローと結婚していたクレーテウスの造ったイオールコス(Iolkos)の町の王座をアイソーンから奪った。それからアナクシビアーと結婚した。イアーソーンがペリアースに王権の返還を求めた際に、彼はイアーソーンに黄金の羊皮を取ってくるようにと命じた。アルゴナウテースたちの遠征はこのことによって生じる。 系譜:Kr
ペリクリュメノス Periklymenos ネーレウスとクローリスの息子。彼は祖父のポセイドーンから身体を自由に変身させる力を授けられていた。ヘーラクレースがネーレウスの王国ピュロスを攻めたときに、自在に変身して戦ったが、ヘーラクレースに殺された。 系譜:Kr
ヘーリオス Helios 「太陽」の神。ローマのソール(Sol)。ヒュペリオーンとテイアーの息子。妻はペルセーイス。後にアポローンと混同される。 系譜:Ti
ペリメーデー Perimede アイオロスとエナレテーの娘。 系譜:De
ペリメーレー Perimele アドメートスとアルケースティスの娘。プリクソスの息子アルゴスと結婚した。 系譜:Ath
ペルセウス Perseus ゼウスとダナエーの子。ダナエーの父で、アルゴスの王アクリシオスは神託によって娘の子供に殺されるとされたので、彼女を青銅の部屋に閉じ込めた。しかしゼウスが黄金の雨に変身して部屋に入り込み、彼女と交わってペルセウスが生まれた。ダナエーは密かにペルセウスを育てたが、アクリシオスに見つかり母子は箱に入れて流され、セリーポス(Seriphos)島に着いた。ゴルゴーンの一人メドゥーサの首を取りに行く物語、およびその道中で起こる様々な物語が有名。妻はエティオピア王ケーペウスの娘アンドロメダー。 系譜:Ol
系譜:Pe
ペルセース Perses クレイオスとエウリュビアーの息子で、アステリアーを妻とする。 系譜:Ti
系譜:Po
系譜:Ol
ペルセポネー Persephone ゼウスとデーメーテールの娘で、冥府の王ハーデースの妻であり、冥府の女王。ペルセパッサ(Persephassa)とも呼ばれていた。ローマではプロセルピナと呼ばれる。ハーデースは彼女に恋をして冥府へと連れ去った。母デーメーテールは失踪した娘を探して世界中を回る。その期間、大地は疲弊して食物が育たなかった。そのために、ゼウスの仲介によってペルセポネーは、一年の三分の一(もしくは半分)を冥界で過ごし、残りを地上で暮らすこととなった。 系譜:Ol
ヘルメース Hermes オリュンポス十二神の一人。ゼウスとマイアの子。アルカディアのキュレーネー(Kyllene)山中で生まれた。ヘルメースは富と幸運の神として、商売、盗み、賭博、競技の保護者であり、智者として竪琴や笛、アルファベット、数、天文、音楽などの発明者とされる。また道と通行人、旅人の保護者でもあり、ヘルメースの像「ヘルマイ」(Hermai)が道路や戸口に立てられた。この像は上部が人間の形で、男根があり、下部は柱になっている。また冥界への案内人でもある。さらに、夢と眠りの神であもある。ゼウスの伝令者の役割も担っている。 系譜:Ol
ヘレー Helle アタマースとネペレーの娘。兄弟のプリクソスとともに金毛の羊に乗ってコルキスへとのがれようとしたが、途中羊の背から落ちた。その海の名はヘレースポントス(Hellespontos)と呼ばれることとなった。現マルマラ海(黒海とボスポラス海峡でつながり、エーゲ海とダーダネルス海峡でつながる海域)。 系譜:Ath
ヘレネー Helene ゼウスとレーダーの娘。ゼウスが白鳥の姿となってレーダーと交わったという。レーダーの夫はテュンダレオースであるために、ヘレネーは彼の娘としても扱われる。ヘレネーは絶世の美女であり、彼女と結婚しようとしてギリシア中の王や英雄が集まった。彼女はスパルタ王メネラーオスを夫に選んで結婚した。トロイアのパリスがヘレネーを奪ったことによって、トロイア戦争が起こった。 系譜:Ol
ペレース Pheres (一)クレーテウスとテューローの息子。テッサリアのペライ(Pherai)の町の創建者。
(二)メーデイアとイアーソーンの息子。兄弟のメルメロスとともに母親に殺された。
系譜:Kr
ベレロポーン Belerophon コリントス王シーシュポスとエウリュメデーの息子。コリントスのペイレーネーの泉で水を飲んでいた神馬ペーガソスを捕まえて、自らの馬とした。
ベレロポーンは誤って兄弟を殺してしまい、贖罪のためにプロイトスのもとに身を寄せた。その時、プロイトスの妻アンテイアはベレロポーンに言い寄るが、断られる。彼女はその腹いせに、ベレロポーンのほうが言い寄ってきたとプロイトスにウソをいた。プロイトスは客人を殺すことをはばかって、リュキア王イオバテースも宛てて、ベレロポーンを殺すようにとの手紙をベレロポーン自身に運ばせる。そこで、イオバテースはベレロポーンにキマイラ退治、ソリュモイ人とアマゾーンの征服などの難題を命じるが、ベレロポーンは成功した。その強さに驚いたイオバテースは、自分の娘ピロノエーを嫁がせて、死後にはリュキアの王国を彼に継がせた。
系譜:Sis
ヘレーン Hllen デウカリオーンとピュラーの子。山のニンフ・オルセーイスを娶った。ヘレーンのから、ギリシア人の総称を表すヘレーネス(Hellenes)が付けられた。両者の息子、ドーロス、クスートス、アイオロスはそれぞれドーリス人、イオーニア人、アイオリス人の祖となった。 系譜:De
ペーロー Pero ネーレウスとクローリスの娘。ビアースは彼の兄弟メラムプースの助けによって彼女を妻とした。後に、彼はアルゴス王プロイトスの娘エイドメネーと結婚した。 系譜:Kr
ベーロス Belos 妻は、ナイル河神の娘アンキノエー(Anchinoe)。エジプトの王。本来ベーロスという名前は、東洋各地の最古の王バアル(Bel)で、アッシリアの王、バビロンの建設者、ディードーの父、ペルシア王家の祖などに現れる。 系譜:Th
系譜:Pe
ペンテウス Pentheus アガウエーとエキーオーンの子。テーバイ王。ペンテウスはキタイローン山でバッコスの信女たちが狂舞するのを覗きに行った。その時に、母アガウエーと彼女の姉妹のイーノーやアウトノエーたちはペンテウスを野獣と思って八つ裂きにした。 系譜:Th

「ほ」

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名前 表記 性別 解説 参照
ボイオートス Boiotos イトーノスとメラニッペーの子。 系譜:De
ポイベー Phoibe 「輝く女」の意。ウーラノスとガイアの娘。コイオスの妻。ポイベーはときに、デルポイの神託創設者とされ、孫のアポローンにこれを贈ったとされる。アポローンは、しばしば「ポイボス」と呼ばれるがこれはポイベーの男性形で「輝く男」を意味する。 系譜:Ti
ポイニクス Phoinix アゲーノールとテレパッサの子。異説もある。エウローペーが疾走したときに、兄弟とともに探しに行き、帰国せずにそのままフェニキアのシドーン(Sidon)の地に定住した。 系譜:Th
ポーコス Phokos アイアコスとプサマテーの息子。ポーコスの名はPhoke「アザラシ」から付けられた。プサマテーはアイアコスとの交わりを嫌がって、アザラシ(Phoke)に変身したために、二人の子はポーコスと呼ばれるようになった。妻はアステリアーもしくはアステロピアー。ポーコスは運動競技が得意だった。異母兄弟のテラモーンが円盤投げ競技の最中に円盤をわざとポーコスに当てて殺した。ポーコスが征服した地は、ポーキス(Phokis)と呼ばれる。 系譜:Dei
オルニュトスの息子。オルニュトスはポーキスに赴いて王国を築き、息子ポーコスに王国を譲り、自らは故郷コリントスに帰った。 系譜:Sis
ポセイドーン Poseidon ゼウスに次ぐオリュンポスの神。クロノスとレアーの子。兄弟とともに世界の支配権を父より奪い、くじで海の支配権を得た。ローマではネプトゥーヌスと同一視される。ポセイドーンは海のみならず、あらゆる泉の支配者でもあり、また地震の神、馬の神でもある。そのために、彼にはエノシクトーン(Enosichthon「大地を揺すぶるもの」)、ガイエーオコス(Gaieochos「大地の所有者」)、ヒッピオス(Hippios「馬の神」)、クレーヌーコス(Krenuchos「泉の所有者」)、ニュムパーゲーテー(Nymphagete「ニンフの指導者」)などの呼称がある。妻はアムピトリーテー。ポセイドーンは多くの女と交わったが、そこから生まれた子は、怪人か野蛮な人間か馬である。 系譜:Ol
系譜:Po
系譜:Kr
ポダルケース Podarkes イーピクロスとアステュオケーの息子。兄弟のプローテシラーオスとともにトロイア戦争に参加した。プローテシラーオスが戦死した後で、テッサリアのピュラカイ(Phylakai)軍の将となった。彼はアマゾーンのペンテシレイアに殺された。 系譜:Dei
ホドイドコス Hodoidokos オプースの孫。キュクノスの子。妻はラーオノメー。 系譜:De
ホーライ Horai ゼウスとテミスの娘ホーラーたち。エウノミアー(Eunomia「秩序」)、ディケー(Dike「正義」)、エイレーネー(Eirene「平和」)の三人。彼女たちは四季と社会秩序の女神とみなされる。 系譜:Ol
ポルキュス Phorkys 海の神。ポントスとガイアの子。姉妹であるケートーを妻とした。 系譜:Po
ポリュデウケース Polydeukes ゼウスが白鳥の姿に変身してレーダーと交わり生まれた子。レーダーがスパルタ王テュンダレオースの妻であったことから、彼の子としても扱われる。兄弟のカストールとともにディオスクーロイ(ゼウスの息子たち)と呼ばれる。ポリュデウケースは拳闘の技に秀でていた。ゼウスは両者をふたご座として天上に置いた。また、両者はスパルタで神として崇められている。 系譜:Ol
ポリュドーロス Polydoros カドモスとハルモニアーの息子。ニュクテーイスを妻とした。テーバイの王位を継いだとも、継がなかったとも言われる。 系譜:Th
ポリュネイケース Polyneikes オイディプースとイオカステーの息子。兄弟のエテオクレースとテーバイの王位を争った。アルゴスの助けを借りてテーバイに迫り、エテオクレースとの一騎打ちのすえ、両者ともに死んだ。 系譜:Th
系譜:Kr
ポリュボイア Polyboia オイクレースとヒュペルメーストラーの娘。 系譜:Kr
ポリュポイテース Polypoites ペイリトオスとヒッポダメイアの息子。父がケンタウロスたちをペーリオン山から追い払った日に生まれた。成人して父の王位を継ぎ、ヘレネーに求婚し、トロイア戦争に参加し、パトロクロスの葬礼競技にも参加した。木馬の勇士の一人。 系譜:Kr
ポリュメーデー Polymede アウトリュコスの娘。夫はアイソーン。イアーソーンの母。夫が自殺したとき、ペリアースを呪って自殺した。 系譜:Kr
ポルバース Phorbas テッサリアの王ラピテースとオルシノメーの息子。ラピタイ族とケンタウロス族との戦闘に加わった。彼に関してはいくつかの相容れない伝承がある。ひとつはテッサリアからイアリューソス(Ialysos)に移り住んだというものであり、もうひとつはペロポネーソス北岸のオーレノス(Olenos)に移住したというもの。かの地で彼はアレクトールの姉妹ヒュルミーネーをめとり、アウゲイアースとアクトールとプロノエーを生んだ。 系譜:Kal
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