カリュケーとアエトリオスを祖とするカリュドーンとプレウローン王家の系図。
デウカリオーンの子孫、カリュケーとアエトリオスを祖とするカリュドーンとプレウローン王家の系図。
カリュドーンの猪狩やアルゴナウテースたちの遠征に加わった英雄が多い。
カリュドーンの猪狩は、オイネウスが毎年の収穫の初穂を神々に捧げる際に、アルテミスに捧げるのを忘れたので、女神は怒って大猪をけしかけたことが発端。土地を荒らす猪を、オイネウスの息子メレアグロスが狩人を集めて退治した。
カリュドーン
カリュドーンはアイトーリア(Aitolia)の都市名でアイトーロスとプロノエーの息子カリュドーンを祖とする。この地で有名なカリュドーンの猪狩が行われた。
プレウローン
プレウローンはアイトーリア(Aitolia)の都市名でアイトーロスとプロノエーの息子プレウローンを祖とする。
この系譜で扱った神々や人物の名称、および簡単な解説を列挙。あいうえお順。
アルファベット表記は、ギリシア文字をローマ字に転写したもの。
名称 | 表記 | 性別 | 解説 | 参照 |
アイオリアー | Aiolia | 女 | アミュターオーンとエイドメネーの娘。カリュドーンの妻。 | 系譜:Kr |
アイオロス | Aiolos | 男 | ヘレーンとオルセーイスの子。アイオリス(Aiolis)人の祖。妻はエナレテー(Enarete)。 風の支配者アイオロスと同一視されることもある。 | 系譜:De 系譜:Kr 系譜:Ath 系譜:Dei 系譜:Sis |
アイトーロス | Aitolos | 男 | アイトーリア人の祖。エーリス(Elis)王エンデュミオーンと水のニンフ(あるいはイーピアナッサ)の息子。エンデュミオーンはパイオーン、エペイオス、アイトーロスの三人にオリュンピアで競争させて、勝者に王位を譲ることを定めた。その結果、エペイオスが勝ち、王位を継承した。パイオーンはマケドニア地方に赴いて、その地の祖となり、アイトーロスはエペイオスの死後に王位を継承したが、アーピスを殺害したために逃れて、クーレーテス族を征服し、その地アイトーリアの王となった。ポルバースの娘プロノエーを妻とした。 | |
アエトリオス | Aethlios | 男 | ゼウスとプロートゲネイアの子。妻はカリュケー。 | 系譜:Ol 系譜:De |
アグリオス | Agrios | 男 | ポルターオーンとエウリュテーの息子。カリュドーンとプレウローンの王であるオイネウスの兄弟。 | |
アゲーノール | Agenor | 男 | プレウローンの王プレウローンとクサンティッペーの息子。 | |
アケローオス | Acheloos | 男 | 河神。ピンドス山脈から、アカルナーニア(Akarnania)とアイトーリア(Aitolia)の境を流れ、コリントス湾に流れ込むギリシア最大の河。 | |
アドラストス | Adrastos | 男 | タラオスとリューシマケーの子。アルゴスの王。テーバイへ向かう七将の総大将。妻はアムピテアー。アドラストスとビアースとメラムプースの三つの家がアルゴスを分割統治していたが、やがて紛争が生じ、アドラストスはシキュオーン(Sikyon)王のもとに逃れた。その後王国を譲られた。また、アムピアラーオスと和解してアルゴスに戻り、妹のエリピューレーを彼と結婚させた。また、ポリュネイケースが国を追われてアドラストスを訪ねてアルゴスに来た後、予言に従って娘アルゲイアーをポリュネイケースに嫁がせた。また、テーバイ攻めの七将の総大将として、テーバイに侵攻した。 | 系譜:Kr |
アミュターオーン | Amythaon | 男 | クレーテウスとテューローの子。妻はエイドメネー(一)。 | 系譜:Kr |
アルカトオス | Alkathoos | 男 | ポルターオーンとエウリュテーの息子。オイネウスの兄弟。 | |
アルタイアー | Althaia | 女 | テスティオスとエウリュテミスの娘。カリュドーン王オイネウスの妻。メレアグロスやデーイアネイラの母。 | |
アンドライモーン | Andraimon | 男 | カリュドーンとプレウローンの王オイネウスの娘であるゴルゲーの夫。オイネウスが老年になって、彼の兄弟であるアグリオスの息子たちに王座を奪われた。テューデウスの息子ディオメーデース(オイネウスの孫)がアルクマイオーンとともにアグリオスの息子たちを殺して、王位を老齢だったオイネウスの娘婿のアンドライモーンに与えた。 | |
イーダース | Idas | 男 | アパレウスとアーレーネーの息子。一説には父はポセイドーン。人間の中で最も強い男と言われている。エウエノースの娘マルペーッサをアポローンと奪い合い、彼はポセイドーンから授かった有翼の戦車でマルペーッサを連れ去った。イーダースはリュケンティウスとともにカリュドーンの猪狩に参加し、その後アルゴナウテースたちの遠征に加わった。また、イーダースとリュンケウスはディオスクーロイ(カストールとポリュデウケース)とともにアルカディアから牛を略奪し、イーダースがその分配を行なった。しかしその分配が不公平だったために、ディオスクーロイはイーダースとリュンケウスがいるメッセーネーに軍をすすめ、牛を奪い返した。その後、ディオスクーロイを待ち伏せして、イーダーはカストールを殺し、ポリュデウケースはリュンケウスを槍で殺した。さらに、ポリュデウケースが危機に陥った時に、ゼウスはイーダースを雷電で殺して、ポリュデウケースを天上に連れて行った。 | |
イーピクロス | Iphiklos | 男 | プレウローン(Pleuron)の王テスティオスとエウリュテミスの息子。カリュドーンの猪狩とアルゴナウテースたちの遠征に参加した。 | |
エウエーノス | Euenos | 男 | アレースとデーモニーケーの息子。アイトーリア(Aitolia)の王。娘であるメルペーッサの求婚者たちを殺していたが、アポローンとイーダースが彼女に恋をして奪い合い、イーダースはポセイドーンから授かった有翼の戦車で彼女を連れ去った。エウエーノースはリュコルマース河(Lykormas)のところまで追いかけたが、捕まえることができず、河に身を投げた。その後この河はエウエーノス河と呼ばれることとなった。 | |
エウヒッポス | Euhippos | 男 | テスティオスとエウリュテミスの息子。 | |
エウリュキューデー | Eurykyde | 女 | エンデュミオーンと水のニンフ(あるいはイーピアナッサ)の娘。 | 系譜:Kal |
エウリュテー | Euryte | 女 | ヒッポダマースの娘。夫はポルターオーン。 | |
エウリュテミス | Eurythemis | 女 | クレオボイアの娘。テスティオスの妻。 | |
エウリュピュロス | Eurypylos | 男 | テスティオスとエウリュテミスの息子。 | |
エピカステー | Epikaste | 女 | カリュドーンとアイオリアーの娘。夫はプレウローンの息子アゲーノール。 | |
エペイオス | Epeios | 男 | エンデュミオーンの息子。エーリス(Elis)の王。エーリス人の一部は、かつてエペイオス人と呼ばれた。 | |
エンデュミオーン | Endymion | 男 | アエトリオスとカリュケーの息子。テッサリアからアイオリス人を率いてエーリス(Elis)に移り、王となった。妻は水のニンフ(あるいはイーピアナッサ)。エーリスの伝説では彼には50人の娘がいたという。 また伝説では、エンデュミオーンは若い羊飼いとして描かれ、月の女神セレーネーが彼に恋をしたという。そして、セレーネーはエンデュミオーンを誘惑した。さらに女神はゼウスに頼み込んで、彼に永遠の眠りと永遠の若さとを授けた。エンデュミオーンは美しい若者としていつまでも眠り続け、セレーネーは毎夜眠っている彼を訪れた。 |
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オイネウス | Oineus | 男 | カリュドーンとプレウローンの王。ポルターオーンとエウリュテーの息子。オイネウスは「オイノス(葡萄酒)」の起源と関連があるらしい。彼は最初にテステュオスの娘アルタイアーを妻とした。アルタイアーが自殺したあとに、オーレノス(Olenos)の王ヒッポノオスの娘ペリボイアを娶った。 オイネウスは毎年の収穫の初穂を神々に捧げる際に、アルテミスに捧げるのを忘れたので、女神は怒って大猪をけしかけた。これが「カリュドーンの猪狩り」の猪。 老年になって、兄弟であるアグリオスの息子たちに王座を奪われた。テューデウスの息子ディオメーデース(オイネウスの孫)がアルクマイオーンとともにアグリオスの息子たちを殺して、王位を老年だったオイネウスの娘婿のアンドライモーンに与えた。オイネウスが死んだときに、死体をアルゴスに運んで、彼の名を取ったオイノエー(Oinoe)の町に埋葬した。 |
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オクシュロス | Oxylos | 男 | アレースとプロートゲネイアの息子。アイトーロスの曾孫。 | |
上記と同名のアイトーロスの子孫。ハイモーン(トアースの息子)の息子。アンドライモーンの曾孫。アポッロドーロスの物語の中では、アンドライモーンとゴルゲーの息子とされる。ゴルゲーがヘーラクレースの妻デーイアネイラの姉妹なので、この伝えではオクシュロスはヘーラクレースの甥とされる。妻はピーエリアー(Pieria)で、アイトーロス(Aitolos)二世とライアース(Laias)の二子を得た。アイトーロスは夭逝し、ライアースがオクシュロスの後を継いだ。 オクシュロスはアイトーリアで円盤投げをしている際に、誤って兄弟のテルミオス(Thermios)を殺してしまい、エーリスに逃れ、一年後に帰国する途中でヘーラクレイダイに出会った。そのときオクシュロスは片目を失った馬に乗っていた。3つ目の男をペロポネーソスへの帰還の案内役にせよとの予言を与えられていたヘーラクレイダイは、オクシュロスが3つ目の男であるとして、案内役とした。彼の案内でペロポネーソスを回復したヘーラクレイダイは、報償としてオクシュロスに彼の祖先であるエンデュミオーンが創った地エーリスを与えた。 エーリスの王となったオクシュロスは善政を行なった。またオリュムピア競技祭を創始、もしくはヘーラクレースが始めたが廃れていたオリュムピア競技祭を再興した。 |
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オーレニアース | Olenias | 男 | テューデウスの兄弟。カリュドーンの王オイネウスとペリボイアの息子。 | |
カリュケー | Kalyke | 女 | アイオロスとエナレテーの娘。ゼウスとプロートゲネイアの息子アエトリュオスの妻となった。 | 系譜:De |
カリュドーン | Kalydon | 男 | アイトーロスとプロノエーの息子。アイトーリア(Aitolia)の都市カリュドーンに名前を与えた。この地で有名なカリュドーンのイノシシ狩りが行われた。妻はアミュターオーンの娘アイオリアー。 | |
クサンティッペー | Xanthippe | 女 | ドーロスの娘。夫はプレウローン。 | 系譜:De |
クリュメノス | Klymenos | 男 | オイネウスとアルタイアーの息子 | |
クレオパトラー | Kleopatra | 女 | イーダースとマルペーッサの娘。メレアグロスの夫。メレアグロスが死んだときに自害した。 | |
ゴルゲー | ||||
ステロペー | Ssterope | 女 | プレウローンとクサンティッペーの娘。 | |
ポルターオーンとエウリュテーの娘。アケローオス河神と交わって、セイレーンたちを生んだ。 | ||||
ストラトニーケー | Stratonike | 女 | プレウローンとクサンティッペーの娘。 | |
トアース | ||||
トクセウス | ||||
ドーロス | Doros | 男 | ドーリア人の祖。ヘレーンとオルセーイスの息子。 | 系譜:De |
デーイアネイラ | Deianeira | 女 | カリュドーン王オイネウスとアルタイアーの娘。メレアグロスの姉妹。ヘーラクレースはアケローオス河神と争って勝利し、彼女を妻とした。 | 系譜:Pe |
ディオメーデース | Diomedes | 男 | テューデウスとデーイピュレーの息子。ホメーロスの『イーリアス』のなかでは、アキレウスに次ぐギリシア方の英雄で、オデュッセウスの友人。ディオメーデースの祖父オイネウスは、支配していたカリュドーンの王権をアグリオス(Agrios)の息子たちによって奪われた。そのために、ディオメーデースはアルクマイオーンとともにアグリオスの息子たちを殺した。オイネウスはすでに老齢だったので、王国を彼の娘ゴルゲーの婿アンドライモーンに与えた。オイネウスが死んだときに、死体をアルゴスに運んで、彼の名を取ったオイノエー(Oinoe)の町に埋葬した。それから、彼はアドラストスの娘アイギアレイアーと結婚した。その後、アルクマイオーンを総大将とするアルゴスの七将(エピゴノイ)のテーバイへの遠征に、さらにトロイア戦争に参加する。 | 系譜:Kr |
デーイピュレー | ||||
デウカリオーン | ||||
テスティオス | Thestios | 男 | プレウローンの王。デーモニーケーと軍神アレースの息子。妻はエウリュテミス(Eurythemis、諸説あり)。 | 系譜:Kal |
デーモニーケー | Demonike | 女 | アゲーノールとエピカステーの娘。軍神アレースとの間に4人の子供を授かった。 | |
テューデウス | ||||
テュレウス | ||||
ニーソス | ||||
パイオーン | ||||
ハイモーン | ||||
ピーソス | ||||
ピッポダマース | ||||
ヒッポノオス | ||||
ヒュペルムネーストラ | ||||
ヒュロス | ||||
ピュロス | ||||
プレウローン | Pleuron | 男 | アイトーロスとプロノエーの息子。カリュドーンの兄弟。アイトーリアのプレウローンの地にその名を与えた。ドーロスの娘クサンティッペーを妻とした。プレウローンはレーダーの先祖であるために、スパルタで祭られていた。 | |
プレークシッポス | ||||
プロートゲネイア | ||||
プロノエー | Pronoe | 女 | ポルバースの娘。アウゲイアースとアクトールの兄弟。夫はアイトーロス。 | |
ヘーラクレース | ||||
ペリボイア | ||||
ヘレーン | ||||
ポルターオーン | ||||
ポルバース | Phorbas | 男 | テッサリアの王ラピテースとオルシノメーの息子。ラピタイ族とケンタウロス族との戦闘に加わった。彼に関してはいくつかの相容れない伝承がある。ひとつはテッサリアからイアリューソス(Ialysos)に移り住んだというものであり、もうひとつはペロポネーソス北岸のオーレノス(Olenos)に移住したというもの。かの地で彼はアレクトールの姉妹ヒュルミーネーをめとり、アウゲイアースとアクトールとプロノエーを生んだ。 | |
マルペーッサ | Marpessa | 女 | エウエーノスとデーモニーケーの娘。イーダースが彼女に恋をして、ポセイドーンから授かった有翼の戦車で彼女を連れ去った。 | |
メラース | ||||
メレアグロス | Meleagros | 男 | カリュドーンとプレウローンの王オイネウスとアルタイアーの息子。妻はイーダースの娘クレオパトラー。カリュドーンの猪狩とアルゴナウテースたちの遠征に参加。カリュドーンの猪狩の際に、カリュドーン人とクレース人のあいだで争いが生じ、メレアグロスはテステュオスの息子たち(母方の叔父たち)を殺し、自らも死んだ。 また別の話では、メレアグロスが生まれてから七日目に、運命の女神たちが現れて炉の中の燃え木が燃え切ると彼は死んでしまうと予言した。そこで、母アルタイアーはその燃え木を取り出して保管していた。その後、猪狩のとき、最初に猪に矢を当てた女狩人アタランテーに恋したメレアグロスは、自らが刺し殺した猪の皮を彼女にささげた。するとテステュオスの息子たちが栄誉を女に与えることに抗議したので、メレアグロスは彼らを殺した。それを知ったアルタイアーは兄弟(テステュオスの息子たち)の殺害に怒って、燃え木を火中に投じたので、メレアグロスは死んだ。 |
系譜:Kal |
モーロス | ||||
ラーオポンテー | Laophonte | 女 | プレウローンとクサンティッペーの娘。 | |
レウコーペウス | ||||
レーダー |
系譜:Ath=アタマースの系譜
系譜:De=デウカリオーンの系譜
系譜:Dei=デーイオーンとミニュアースの系譜
系譜:Kr=クレーテウス、テューロー、ポセイドーンの系譜
系譜:Ol=オリュンポス神族の系譜
系譜:Pe=ペルセウス、ヘーラクレースの系譜
系譜:Po=ポントスの系譜
系譜:Sis=シーシュポスの系譜
系譜:Th=テーバイ王家の系譜
系譜:Ti=ティーターン神族の系譜