新刊の紹介。網羅的なものではなく、気がついた順で、河島の覚書程度のものです。
西洋古典関係のものが中心ですが、その他にも個人的に興味を持ったものをジャンルに関係なく掲載しています。
過去の新刊案内:2012 2011 2010 2009 2008
各書籍にはAmazonへのリンクが張ってありますので、詳細はそちらでご確認ください。
新刊についてはtwitterでも配信しています。
· 川島重成、茅野友子、古澤ゆう子(編)『パストラル――牧歌の源流と展開――』、ピナケス出版、2013/10
新しく書籍が出ました。牧歌詩(パストラル)伝統とその発展について。私も書いています。
内容は以下の通り
序章:パストラル概観(古澤ゆう子)
第一章:テオクリトスの『牧歌』とその先駆者たち(安村典子)
第二章:牧歌の私訴テオクリトスの『収穫祭』(古澤ゆう子)
第三章:旧約聖書におけるパストラル(並木浩一)
第四章:ウェルギリウス『牧歌』に描かれる牧歌世界の危機(河島思朗)
第五章:ウェルギリウス『牧歌』第四歌における黄金時代
――イザヤ書のメシア預言との類似性をめぐって――(川島重成)
第六章:英文学におけるパストラル思想
――シェイクスピア『お気に召すまま』を中心に――(茅野友子)
第七章:ミルトンの『リシダス』『ダモン葬送詩』におけるパストラルの伝統(佐野好則)
第八章:音楽におけるパストラル(金澤正剛)
アルカディアと御殿場――あとがきにかえて――(茅野友子)
· プラトン、中澤務(訳)『饗宴 (光文社古典新訳文庫)』、光文社、2013/09
· 納富信留、『プラトン『饗宴』 2013年7月 (100分de名著)』、NHK出版、2013/06
· 風間喜代三、『オウィディウスでラテン語を読む』、三省堂、2013/09
· Daryn Lehoux, 他. Lucretius: Poetry, Philosophy, Science. Oxford U.P. 2013
ルクレーティウス『物の本質について』の論集
ヘレニズム時代の修辞学や弁論などについて。珍しい。
古代エジプトの文学について。興味深い!
· 山下 太郎、『しっかり学ぶ初級ラテン語 (Basic Language Learning Series)』、ベレ出版、2013/08/20
初級文法書です。独学でラテン語を学ぶ人にオススメ。
例文や練習問題の多くに実際のラテン文学の原典や格言などを採用していて、読んでいて楽しいです。各文法項目ごとに、独学で学ぶ人にとって分かりやすいような解説があり、読みながら文法を理解していく形式です。学習の仕方も書かれていて、親切。さらにFAQコーナーや問題へのヒントがあり、細かな疑問にも答えてくれる感じ。特に例文と解説が充実していて良いです。しかも、分からないところはウェブ上で答えてくれるとのこと!
補足:全12章。語彙は単語帳のような形ではまとめられていませんが、各章ごとに問題のそばに載せられています。活用表のまとめはありませんので、各章ごとに暗記(or自分で作る)ことが期待されていると思います。練習問題の解答あり。
· Joseph Farrell and Damien P. Nelis(eds). Augustan Poetry and the Roman Republic. Oxford U.P. 2013
· Miriam T. GriffinSeneca on Society: A Guide to De Beneficiis.. Oxford U.P. 2013
· A. Lintott. Plutarch: Demosthenes and Cicero. Oxford U.P. 2013
プルタルコス『英雄伝(対比列伝)』キケローとデモステネス部分の訳とコメンタリー
· W. Fitzgerald. How to Read a Latin Poem: If You Can't Read Latin Yet. Oxford U.P. 2013
· Daniel Ogden. Drakon: Dragon Myth and Serpent Cult in the Greek and Roman Worlds. Oxford U.P. 2013
· Stuart Lawrence. Moral Awareness in Greek Tragedy . Oxford U.P. 2013
· Ian Worthington. Demosthenes of Athens and the Fall of Classical Greece. Oxford U.P. 2013
· 森谷宇一・戸高和弘・吉田俊一郎 訳、クインティリアヌス『弁論家の教育3』 (西洋古典叢書)
紀元前5世紀と4世紀、古代ギリシア、アテーナイにおける穀物の供給について。