このページではラテン語の辞書を紹介しています。
コメントは河島の独断でつけたものです。
思いついた順に記載していますので、網羅的なものではありません。
なるべく使いやすいもの中心に紹介しています。
ラテン語の辞書はかなりたくさんの種類が出版されています。初めてラテン語の辞書を買う場合は、下記のCassel's Latin Dictionary、Elementary Latin Dictionary、Chambers Murray Latin-English Dictionaryの、3つのうちのどれかがよいでしょう。実際に手にとって自分にあうものを選んでください。河島は、Cassel'sのものが一番使い勝手が良いのではないかと思います。英-ラも意外と便利です。
英語よりもドイツ語の方が格段に読めるという人は、下記のGrosses Schulworterbuch Lateinisch-Deutschが良いかもしれません。
日本語のラテン語辞書もいくつか出版されています。しかし、現在手に入るものに関しては、河島はいずれも初学者にはお勧めしません。日本語という最大の利点はあるのですが、使いやすくなかったり、内容にも不満が残ります。また、ラテン語文法を学ぶ際にはいずれ欧米語の文法用語を知らなければなりませんし、欧米語の知識を避けて通れません。古典語の辞書を引いて、その英語の意味をまた英和辞書で引くというように、大変手間はかかりますが、我慢です!
· Oxford Latin Dictionary (OLD). Oxford: Clarendon Press
《コメント》
もっともよく利用されるラテン語辞書。不満足な点もあるが、現在個人が手にすることができる辞書で、もっとも詳細。引用がとても多くて良い。OLDと略される。持ち運べない。河島は常に横にして机においてあります(立てて収納すると表紙が壊れる)。もうすぐ新しい版が出版されます。
· D. P. Simpson. Cassell's Latin Dictionary: Latin-English, English-Latin. New York: Macmillan
《コメント》
ラ-英、英-ラ、辞書。使いやすく初学者には大変良い。中型の辞書にしては例文もしっかりしている。オススメです。
· Charlton T. Lewis. Elementary Latin Dictionary. Oxford: Oxford U.P.
《コメント》
初学者向けのラテン語辞書。しばしば勧められるようです。若干見出し語が変則的であまり使い勝手がよくないようにも感じます。
· Sir W. Smith and Sir John Lockwood. Chambers Murray Latin-English Dictionary. Edinburgh: Chambers
《コメント》
ペーパーバックのラテン語辞書。私は使ったことがないのですが、評判も良いようです。
· E. Pertsch. Grosses Schulworterbuch Lateinisch-Deutsch. Berlin: Langenscheidt.
《コメント》
ドイツ-ラテン語辞書。版の種類がいくつかある。上記の版も使いますが、縮小したVoellige Neubearb.版も二色刷りで見やすいので、よく使っています。ドイツ語ですが、オススメです。
· Dictionnaire latin-franais: Le grand Gaffiot. Paris: Gaffiot.
《コメント》
フランス-ラテン語辞書。版の種類がいくつかある。一般的な「ラテン語辞書」というと古典期のラテン語を対象としていますが、Gaffiotのラテン語辞書は中世ラテンの単語も含んでいるようです。用例にフランス語訳も付けられていて便利です。オススメ。
《コメント》
Hermann Menge, Taschenworterbuch der lateinischen unt deutschen Spracheを元に作った日-ラ辞書。日本語で引くことができることが最大の利点。用例が掲載されていないので、単語帳のような感じです。
《コメント》
使い勝手からいうと田中秀央『羅和辞典』よりも使いやすいようです。見出し語数は『羅和辞典』よりも少ない。もっとも残念なことは値段が高いこと。3万6千円くらいでしょうか。