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デキャンタ (オイノコエー)

 デキャンタ: オイノコエー(Oinochoe)

oinochoe
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oinochoe
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 オイノコエー(Oinochoe)は混酒器に混ぜられた葡萄酒のおりを残して上澄みを取り出し、各人に注ぐための容器。現在のデキャンタ(Decanter)のような役割を果たした。オイノコエーは「葡萄酒(オイノス)を注ぐ(ケオー)」を意味する。背面にひとつ取っ手があり、注ぎやすい形になっていた。
 形状は様々で細かく区分されている。上の画像のような、高さ20-30cmのものが多いが、そのほかに10cmくらいの種類のものもある。


オルペー(Olpe)

Olpe
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image_olpe
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 最も初期のオイノコエーはオルペーと呼ばれる。重心が下にあり口の部分が平らになっている。高さは20-30cmが多い。


クース(Chous)

chous
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 丸い形状で三つ葉模様の口を持つものをクースと呼ぶ。クース(Chous)とはギリシア語の「注ぐ」(Cheo)に由来する。20cm前後のものが一般的である。
 しばしば子供の墓の中から出土していて、10cmくらいの大きさのものが副葬品として用いられた。これは、アテーナイで開催された新酒を祝う春祭り、アンテステーリオーン祭で子供に葡萄酒を注ぐのに使われたからだと考えられている。


キュアトス(Kyathos - Cyathus)

kyathos
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kyathos
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 特に柄杓(ひしゃく)のような形のものは、キュアトス(Kyathos【ギ】、Cyathus【ラ】)と呼ばれた。キュアトスはギリシア語の「孕む(キュオー、kyo)」に由来する。混酒器から葡萄酒を杯に分けるのに使う。高さは10cmぐらい。


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このページの最終更新 2008/2/5
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