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混酒器(クラーテール)

 混酒器: クラーテール(krater、crater)

 混酒器・クラーテール(krater【ギ】、crater【ラ】)は、葡萄酒に水、蜂蜜、香料などを混ぜる器。クラーテールという言葉はギリシア語の「混ぜ合わせる」に由来する。大型で幅が広く、口が大きく開いているものが多い。40-110センチくらいのものが多い。宴会の時には中央に置く。
 混酒器の種類は、下記のように、その形に従って大きく四つに分けられている。


ベル型クラーテール(Bell Krater - Bell Crater)

bell crater
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Copyrighted by Shiro Kawashima.
bell crater
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ベルの形をしたクラーテール。ベル型クラーテールは赤絵式で描かれている。


花型クラーテール(Calyx Krater - Calyx Crater)

calyx crater
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calyx krater
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Calyxとは花のがく(萼)の意味。取っ手の部分が下のほうについており、花びらの外側についているがくに似ていることから名付けられた。ラッパ型に開口する姿と合わせて花の形に似ているので、ここでは「花型クラーテール」と訳した。


渦巻き型クラーテール(Volute Krater - Volute Crater)

volute crater
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crater_actaeon_louvre_CA3482
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取っ手の部分が渦巻き状(volute)であることが特徴。


柱型クラーテール(Column Krater - Column Crater)

Column crater
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Column krater
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 取っ手の部分が柱(column)のようになっている。コリントス式の柱をアテーナイ人がモチーフにした。黒絵式にもっとも典型的な形。


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このページの最終更新 2008/2/5
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