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古代ローマの暦古代ローマの暦 このページでは、古代ローマで用いられていた年・月・週・日の呼び名などを説明しています。 |
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ローマの暦の歴史を簡単に解説します。ただし、ユリウス暦以前の暦に関しては確定的な証拠がないために、伝承や研究者によって推測された部分も多い。 ロムルス暦 農耕のための暦であったために、3月から12月までの10ヶ月(304日間)に名前が付けられていた。農作業を行なうことができない期間(今日の1月と2月)には呼び名がなかった。
ヌマ暦 太陽を基準にする一年には11日足りない。その分は二年に1度、2月を23日に縮めて、27日間または28日間の閏月が加えられていた。この閏月はインテルカラーリス(Intercalaris
mensis)もしくはメルケードーニウス(Mercedonius)と呼ばれる。
前153年の改定 【参考】 ユリウス暦 また3年に一度、2月24日を2度繰り返し閏日(dies intercalaris)とする閏年(annus bissextilis)を定めた(今日のような2月29日はなかった)。初期のユリウス暦では3年に一度閏年が入れられていたが、その後その誤差が改められ、後8年に4年に一度に定められた。 また、前44年にカエサルの名にちなんで7番目の月がユーリウス(Iulius)に、後8年にアウグストゥスの名にちなんで8番目の月がアウグストゥスと改名さた。暦の詳細な表は後述。 【参考】 ・月は29.5日かけて満ち欠けをする |
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年の呼び方には2種類あった。 (1)毎年選出される2人のコンスル(執政官)の名前を挙げる方法。 (2)ローマ建国の年(前753年)を元年とする方法。 |
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月の名前は形容詞で記述される。これは「月」を表す名詞 mensis (m.) が省略されているためである。
※前153年以降、一年の始まりは1月からであるが、歴史的な背景を踏まえて便宜的に3月から始めた。 |
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八曜制 AからHまでの記号の1日を毎年「市の日(ヌンディナエ、nundinae)」とした。農民は「市の日」に農作業をやめて買い物に出かけた。ある種の休日の意味合いがあったようだ。 「市の日」は毎年異なる。Aの日が「市の日」である場合、ユリウス暦の最後のAの日は361日目、12月27日(a.d. VI Kal. Ian.)。12月31日はEで、次の「市の日」までは3日。しかし、1月1日は再びAの日になるので、翌年の「市の日」はCとなる。 七曜制
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ローマの日の呼び方は定められた基準日から逆算して計算する。 その基準日を用いて、すなわち「カレンダエの3日前」「イードゥースの4日前」等の言い方で日を表す。 「~日前の日」という言い方は、ante diem (略 a.d.)「アンテ・ディエム」に序数詞をつけることで表す。
【参考】 ※日にちの表記は、ひとつのまとまりとして捉えられるので、その形のままで、格変化することなく、前置詞と結びつく。 ノーナエとイードゥースの日を列挙すると以下のようになる。
※イードゥースの日の決定については、太陰暦を用いていたロムルス暦・ヌマ暦と関連する。ヌマ暦では3月、5月、7月、10月が31日間を有する大の月、それ以外が小の月とされていた。大の月のイードゥースが15日、小の月のイードゥースが13日と定められている。 ユリウス暦のカレンダー |
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・Adkins, Lesley and Roy A. Adkins. Handbook to Life in Ancient Rome. Oxford: Oxford U.P. 1994 HP: Encyclopaedia Romana にも詳しい解説が掲載されている |
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このページの最終更新日: 2007/12/21 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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