メリボエウス
ティテュルスよ、君は枝を広げたブナの覆いの下に横たわって、
森の歌(ムーサ)をか細い葦笛で繰り返し奏でている。
だが私らは、祖国の土地と親しい畑を去っていく。
私たちは祖国を逃げ出すのだ。ティテュルスよ、君は木陰でのんびりと
美しいアマリュリスの名を響かせるようにと森に教えている。
小川正廣(訳)、ウェルギリウス『牧歌/農耕詩』、京都大学学術出版会
Tityre, tu patulae recubans sub tegmine fagi
siluestrem tenui Musam meditaris auena;
nos patriae finis et dulcia linquimus arua.
nos patriam fugimus; tu, Tityre, lentus in umbra
formosam resonare doces Amaryllida siluas.