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容器

    容器

アンフォラ以外の貯蔵や持ち運びに用いられた容器。


ペリケー(Pelike)

Pelike
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Pelike
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 ペリケー(Pelike)は様々な形の容器に対して用いられる。オリーブの実やオリーブ油を貯蔵するのに用いられていたらしい。しば しばアンフォラの一種と考えられる場合もある。赤絵式のものから作られ始めた。20-50cmくらいのものがある。



ヒュドリア(Hydria)

Hydria
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Hydria
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 「ヒュドリア」は「水」(ヒュドール、Hydor)に由来し、水差しに用いられた。横に持ち上げるための取っ手が二つあり、背面に注 ぐための取っ手がある。30-50cmくらいのものが多い。非常に古くから作られ、8世紀頃から似た形のものが作られている。
 ヒュドリアはこの形状のものに付けられた名前のようで、水差しとしてだけではなく様々な用途に使われた。例えば、投票箱、貯金箱、骨壺としても用いられ ている。



スタムノス(Stamnos)

Stamnos
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Stamnos
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 6世紀後半から5世紀後半まで作られたもので、ほとんどのものがエトルリアで見つかっている。元来エトルリアで作られていたブロンズ の器の形状を陶器にした。
 考古学者がこの形状の容器にスタムノスという名称を特定したが、古代では「スタムノス」をアンフォラのような他の容器のことを指す場合にも使う。ときに ふたが付いていて、アンフォラのように葡萄酒を貯蔵するほか、他の物の貯蔵に使われた。アテーナイではディオニューソス祭のときに生酒を保存した。 30-50cmくらいのものが多い。



ルートゥロポロス(Loutrophoros)

Loutrophoros
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Loutrophoros
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 ルートゥロポロス(Loutrophoros)はギリシア語の「沐浴(loutron)」と「運ぶ(phero)」に由来する。結婚 や葬礼の儀式のときに沐浴のための水を運ぶために用いられた。50cmから80cm以上のものがある。両側に二つの取っ手があるものに加え、ヒュドリアの ように背面にも取っ手が付いているものもある。



レベース(Lebes) - ディーノス(Dinos)

Lebes
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Lebes
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 丸い形をした容器で、たらいとして饗宴の際に客が手(場合によっては足)を洗うのに使った。また調理のときなどにつかうボールとして も用いられたらしい。ギリシア語でディーノス(dinos)とも呼ばれる容器もこのレベースと同一視されるが、定かではない。形状からおそらく三脚の上に 固定されたと思われる。レベースはしばしば金属によっても作られ、競技祭のトロフィーとして勝利者に贈られた。



レベース・ガミコス(Lebes Gamikos)

Lebes Gamikos
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Lebes Gamikos
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Copyrighted by The Metropolitan Museum of Art.

 「婚礼のレベース」という意味のレベース・ガミコスは台座、つまみのある蓋、M字型の取っ手を持つ。ルートゥロポスと同じように、婚礼の祭儀のときに清めの水が入れてあったらしい。新郎と新婦は浄めをすることによって新たな生活を始めた。もしくは、レベース・ガミコスは婚礼の寝室に置かれ、その中に食べ物を入れたかもしれない。レベース・ガミコスはしばしば婚礼の贈り物として花嫁に送られ、彼女の脇に置かれた。The Metropolitan Museum所蔵のレベース・ガミコスには婚礼の様子が描かれている。 40-60cmくらい。


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